定期借家こそ普通の賃貸借契約

さて、不動産定期借家契約というと、何やら特殊な賃貸借契約なのでは？　と思ってしまいます。

それは仕方のないことです。

一般的な賃貸借契約を「普通」借家契約というのだから、定期借家契約は「特殊」借家契約だと考えてしまうのは無理はないのです。

しかし、私は断言します。

実は「定期」借家契約こそ「普通」であり、一般的であり、特殊でもなんでもない賃貸借契約なのです。

本書は法律を解説する書籍ではありません。もちろん必要に応じた解説はありますが、目的は次の２つです。

1. 大家さんに正しい実践済みの実務知識を伝えること
2. 管理会社さんに多種多様な時代に合う契約形態であることをを伝えること

ひょっとすると、入居者さんにメリットのない契約形態だと誤解する方がいるかもしれません。

確かに、立退料を狙って入居する方にはメリットがありません。そうではなく、周りに不良入居者のいない素敵な部屋に長く住み続けるのが目的でしたら大丈夫です。

大家さん側は再契約を前提に貸します。万が一、大家さん側に再契約の意向がない場合は、遅くても６ヶ月前には通知されます。大家さんの都合で突然に退去を迫られることはないのです。

令和時代の入居者さんは多種多様です。働き方（雇用形態）１つ見ても昭和時代から様変わりしました。そんな入居者さんに対応するためには、柔軟な対応のできる定期借家がピッタリです。

はじめに

第１ステップ：定期借家の概要を理解する

1. この部屋に住みたいと思ってもらえる住まいをつくろう！
2. 定期借家の特長３選
3. 定期借家でも普通に入居募集した事例11選
4. 定期借家の活用法①空室対策
5. 定期借家の活用法②取壊日ギリギリまで稼働
6. 定期借家の活用法③契約の終了を確実に

第２ステップ：普通借家と定期借家を比較して理解を深める

1. 定期借家のメリット・普通借家のデメリット
2. 普通借家と定期借家の継続性の違い
3. 異常な普通借家の制度①正当事由制度
4. 異常な普通借家の制度②法定更新制度
5. 普通借家が異常なのは戦時立法だから
6. 定期借家の誤解
7. 普通借家✕定期借家を比較整理
8. 定期借家による賃貸借契約締結のルール
9. 普通借家から定期借家の切り替え方法

第３ステップ：実践する

1. 定期借家はもっと普及していいはず!?
2. 仲介会社（客付業者）さんとお客様の心理を知る
3. 既存の管理会社さんをどう説得するか？
4. 新しい管理会社さんをどう探すか？

余談：借地借家法と労働基準法の共通点

あとがき

各種資料ダウンロード方法

1. 定期借家契約関係 書式集
2. 定期借家募集チラシ 10選
3. 普通借家▶定期借家切替案内書ほか
   

定期借家制度を創設したメンバーたちが中心の団体、定期借家推進協議会の参考図書をいっしょにダウンロードできるように準備しました。もっと知りたい・活用したい方は、こちらも参考になさってください。

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